高血圧の原因・定義について、ガイドラインや調査結果など踏まえて解説

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高血圧の基準 40代からの心身ケア

40代に入ると身体の様々な点が気になってたり、健康について考えたりしませんか?

その中でも“高血圧”は身近に聞く言葉の一方で、具体的にどのような状態なのかを説明することは難しいですよね

今回は、現在の日本人における高血圧の状況と高血圧の種類・定義について5つの視点から考えていきます

尚、この記事では日本高血圧学会が作成した高血圧治療ガイドライン2019、厚生労働省の国民健康・栄養調査を参考に作成しています

日本における高血圧患者数

高血圧は日本で患者数が最も多い病気で、現在約4300万人と推定されおり、この内訳は以下の通りです

  • 適切に血圧がコントロールされている…約1200万人
  • 自らの高血圧を認識していない…約1400万人
  • 認識しているが未治療…約450万人
  • 薬物治療を受けているが管理不良…約1250万人

これまでの推移

これまでの推移について、①収縮期血圧(最高血圧)の平均値と②収縮期血圧(最高血圧)140mmHg以上の割合という視点で見てみます

2019年(令和元年)の国民健康・栄養調査によると…

①収縮期(最高)血圧の平均値…                             男性 132.0mmHg、女性 126.5mmHg であり、この 10 年間でみると、男女とも有意に減少

②高血圧の基準となる収縮期(最高)血圧が140mmHg 以上の者の割合…          男性 29.9%、女性 24.9%であり、この 10年間でみると、男女とも有意に減少

これらを分かりやすくグラフにすると次の2つになります

引用:厚生労働省 国民健康・栄養調査(令和元年)
引用:厚生労働省 国民健康・栄養調査(令和元年)

ちなみに、令和2年、3年は新型コロナウイルス感染症の影響により、この調査は中止となっています

このように減少している主な理由として…

❝高血圧治療の進歩と普及、食塩摂取量の低下、生活習慣・生活環境の変化❞などがあると考えられています

日本人の高血圧の特徴

日本人における高血圧の特徴については、以下の2点が挙げられています

  • 食塩摂取量の多さ
  • 肥満とメタボリックシンドロームの増加

なぜ、高血圧はこわいのか

高血圧はサイレントキラー(静かなる殺人者)といわれており、ほとんどの人で自覚症状がありません

高血圧状態が続くと、脳や心臓などの血管に負荷がたくさんかかり、動脈硬化などによる脳血管疾患や冠動脈疾患、そして腎機能低下のリスクが高くなります

このように、自覚症状がない為に血圧が高いまま何も治療しないでいたり、高血圧と分かっているのに放置しておくと、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などにかかるリスクが高くなってしまうので、とてもこわいと言われています

高血圧の種類

本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます

本態性高血圧

本態性高血圧とは、“血圧が高くなる原因を一つに定めることができない高血圧”をいいます

日本人全体の約8~9割を占め、生活習慣(食塩の過剰摂取など)、環境因子、遺伝的要因(体質)など様々な要因が組み合わさって起こります

このブログでは、この「高血圧≒本態性高血圧」と認識してください

二次性高血圧

二次性高血圧とは、“血圧が高くなる原因が明らかな高血圧”をいいます

日本人全体の約1~1.5割を占め、ホルモンの異常や心臓・腎臓・血管の病気、薬剤の副作用などで起こり、それ自体の治療などを行うことで改善を期待出来る可能性があります

基準値(定義)

血圧測定

血圧測定には3種類あります

  • 診察室血圧…病院やクリニックなどで測定
  • 家庭血圧…自宅で(自分で)測定
  • 24時間自由行動下血圧…特殊な機器で15分~約1時間ごとに1日かけて測定

この中で一番重要になるのは普段から生活しており落ち着いて測定出来る家庭血圧になります

成人における血圧値

成人における血圧値の分類を以下に示します(単位:mmHg)

分類診察室血圧家庭血圧
収縮期血圧拡張期血圧収縮期血圧拡張期血圧
正常血圧<120かつ<80<115かつ<75
正常高値血圧120-129かつ<80115-124かつ<75
高値血圧130-139かつ/または80-89125-134かつ/または75-84
Ⅰ度高血圧140-159 かつ/または 90-99135-144かつ/または85-89
Ⅱ度高血圧160-179 かつ/または 100-109145-159かつ/または90-99
Ⅲ度高血圧≧180 かつ/または ≧110≧160かつ/または≧100
(孤立性)
収縮期高血圧
≧140かつ<90≧135かつ<85
高血圧治療ガイドライン2019を参考に作成

高血圧の基準値は…

  • 診察室血圧 140/90mmHg
  • 家庭血圧  135/85mmHg

1日だけでなく別の日にも行い、数回の測定結果により判断されていき、この数値以上になると高血圧と診断されていきます

これら2つのどちらを優先するかとなったら、家庭血圧になり、その理由として大きく2つあります

  1. 脳卒中や心筋梗塞などの発症や生命予後には、家庭血圧の方が診察室血圧よりも、優れているから
  2. 診察や健康診断時の測定は正常なのに、自宅や職場では高いことがあるから

このように診察時には高血圧が隠れている事から、仮面高血圧と呼ばれています

この仮面高血圧の人を見つけることで、血圧コントロールや予防に取り組むことができます

ちなみに、24時間自由行動下血圧値の基準は…

平均130/80以上 昼間平均値135/85以上 夜間平均値120/70以上となります

まとめ

今回は、高血圧について、日本人における高血圧の状況と高血圧の種類・定義について考えていきました

私も自分の職場に血圧計はあるのですが、たまに測定する程度にとどまっているので、これからはもう少し意識していこうと思っています

皆さんも、サイレントキラーから自分の身体を守る為にも血圧測定を定期的に行うきっかけになれば嬉しいです

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