介護士(介護職)の仕事って、働く場所によって勤務内容や対象となる方の心身状況、勤務体制が異なりますので、「自分に合った職場ってどんなとこだろう」と思われる方もいると思います
今回は夜勤なしを希望する介護士が働くことが多い居宅サービス(訪問系・通所系・ショートステイ)について、それぞれどういった人が向いているのかを説明していきます
実際に介護の現場で働いている視点から分かりやすく解説していきます
そもそも介護職が働ける主な職場は、大きく以下の3つに分けられます
- 居宅サービス
- 施設サービス
- 地域密着型サービス
今回は、この中の「居宅サービス」についてみていきます
居宅サービスとは?
居宅サービスの中で介護職の活躍する場としては、
- 訪問介護 訪問入浴介護
- 通所リハビリテーション(デイケア) 通所介護(デイサービス)
- ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護) があります
これらに加えて、特定施設入居者生活介護もありますが、今回は省いています
居宅サービスとは… 介護が必要な状態になった方が住み慣れた自宅などで生活する為に必要なサポートを提供する介護サービス全般のことをいい、大きく分けると「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス」「その他のサービス」の4種類になります
居宅サービス分野で働く特徴としては、
“ショートステイを除き、原則として泊まり(夜勤)がない”ということになります
日勤だけの仕事は「子育ての方」や「夕方以降の時間を大事にしたい方」にとってはメリットが大きいですよね
次にそれぞれの説明をしていきますね
訪問介護 訪問入浴介護
このサービスは、自宅などに訪問してサービスを提供することになります
- ほとんどは日勤帯だけの勤務(24時間や遅い時間まで対応している事業所もあり)
- 平日のみの事業所が多い
- 1日に何件も自宅を訪問する
- 移動は車や自転車など地域によって異なる
- 訪問介護は1人で行動する
日勤帯を希望する方や、要介護者が実際住んでいる自宅でサポートしたいという方にとっては向いていますが、1対1になる点(密な対人関係・緊急時の対応)や他人の家に上がることが苦手な方には不向きだと思われます
両者の仕事内容は以下の通りです
- 訪問介護…買い物や洗濯、調理などの生活援助、入浴や排泄などの介助をする身体介護、通院等 乗降介助を行います
- 訪問入浴介護…看護師と一緒に専用の浴槽を積んだ入浴車で訪問し、自宅での入浴が困難な方や 家族の介護だけでは入浴が難しい方を対象へ入浴サービスを提供します
通所リハビリテーション(デイケア) 通所介護(デイサービス)
このサービスや要介護者(利用者)が事業所に通ってサービスを受けていきます
- 日勤帯だけの勤務
- 日祝日や夕方遅くまで実施している事業所もある
- 自宅と事業所の送迎が必要(運転手がいる場合と実際に運転が必要になる場合あり)
- 他スタッフと上手く協力していく必要ある(決められた時間で様々な事を効率よく行っていかないといけない)
- 送迎、入浴、食事、整容、排泄、機能訓練やリハビリサポートなど行う事が多岐にわたり、また、どんな利用者が多いかでマンパワーの程度が異なる
日勤帯を希望する方や1人でのサポートが不安な方には向いていますが、運転に不安がある方は事業所に運転手がいるかなど確認が必要です
また、通所リハビリは医療法人が運営していることが多いので、医学的知識を深めるといった自分自身のスキルアップにも繋がりますし、利用者の体調が変化した時でもすぐに診れる体制はあることが多いです
ただ、開設の特性上、通所介護については運営会社や事業所規模が様々なので、求人票などできちんと確認しておいた方が良いと思います
両者の仕事内容は以下の通りです
- 通所介護(デイサービス)…自宅から送迎を行い、決められた時間を事業所で過ごしながら、入浴や食事、健康管理、機能訓練、レクレーションなどを行っていくサービスです
- 通所リハビリ(デイケア)…病院、診療所、介護老人保健施設等に併設された事業所へ自宅から送迎を行い、決められた時間を事業所で過ごしながら、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ職と機能維持・回復や日常生活動作の練習などのリハビリテーションをメインに行いながら、健康管理、食事、入浴なども提供していくサービスです
ショートステイ
このサービスは短期間入居した利用者のお世話をしていきます
- 勤務体制、これまでの2つとは異なり夜勤がある
- 施設内での勤務なので、他のスタッフと上手く役割分担して働くことができる
- 利用が定期的、緊急であったり、利用期間がそれぞれ異なる為、入れ替わりに対応する必要がある
- 入浴、食事、整容、排泄、機能訓練など行う事が多岐にわたる
- 施設によっては、介護職が送迎を行う場合もある
これまでの2つと最も異なる点としては「夜勤がある」ということです
また、ショートステイの理由が定期的なのか緊急的なものなのか、利用者さんの状態によってサポートする内容や程度が大きく異なります
ショートステイは、介護利用者だけでなくその家族の負担を軽減させる役割も果たしており、以下の2種類に分けられます
- 短期入所生活介護…老人短期入所施設や特別養護老人ホームなどがサービスを提供しており、入浴 や排泄、食事をはじめ日常生活を営むための機能回復や維持訓練を行います
- 短期入所療養介護…短期入所生活介護よりも医療への依存度の高い方を対象としており、医学的な管理の下で、必要な医療や看護、介護などによる日常生活のサポートを実施しており、リハビリ職や看護師による機能訓練を行っていることが多いです
まとめ
今回は介護職が働くことが多い居宅サービスについて、それぞれ働く上で向いている人やそうでない人についてまとめていきました
訪問系、通所系、ショートステイと各々に特徴があり、何を基準に働く場所を選ぶかで目指す方向は自ずと決まってくると思います
また、ショートステイを実施している施設では通所介護も運営している場合も多いので、そこでの勤務状況をみながら、「やっぱり日勤帯の勤務がいいなぁ」と思えば配置転換などの希望を出してみるのはどうでしょうか?
どの分野にしてもサポートをするという点は変わりませんので、自分の心身に合った場所で働けることを願っています
コメント