身体のメンテナンス、その中でも筋膜に対してアプローチできる運動にフォームローラーを使用したものがあります
今回はフォームローラーの効果や使い方、注意点などを分かりやすく説明していきます
実態に私が使用しているフォームローラーはトリガーポイントのグリッドフォームローラーになります
使用した感想などを書いていますので、よければこちらの記事を参照してみて下さい
また、そもそも筋膜とは?筋膜リリースってどうやるの?解剖含めて基本的な考え方を知りたい方は
こちらをご参照下さい
フォームローラーとは
そもそも、フォームローラーとは円柱型のトレーニンググッズの総称で、手軽に筋肉のケアや機能を高められる道具です
表面にはくぼみや突起があり、ここに身体の気になる部位を載せ、転がしていくことで簡単にセルフマッサージができると言われています
様々な会社から製品が出ており、100均(値段は100円ではありませんが)にもおいてあったり、ローラーが振動する電動タイプも登場しています
フォームローラーの効果・目的
フォームローラーは“セルフケアで筋膜リリースの効果が期待出来る”と言われており、一般の方からスポーツ選手まで全ての方達が対象となります
筋膜へのケアを行うことで、以下の変化を得ることができ、それが最高のパフォーマンスを発揮したり日頃の身体機能を高めることにつながっていきます
- 筋肉の柔軟性や伸長性を高めたり、ほぐしてくれる
- 血流促進
- トレーニング後のリカバリーをサポート
ただ、理学療法士の立場からこの筋膜リリースについて私見を述べると…
「単にフォームローラーをやるだけで、簡単に筋膜リリースは出来るわけではない」ということです
本来は、皮膚・筋・筋膜など解剖学的知識を持った上で、手技を学び実際に施術していくといった一連の学びが必要であり、私達の業界でも筋膜リリースの手技を完全に使いこなせている人は多くありません
ただ、勘違いして欲しくないのは、決してフォームローラーを否定しているのではないということです
その目的を筋膜リリースに断定するのではなく、“皮膚や筋に適度なマッサージや刺激を入れることで該当する部位をケアしながらパフォーマンス向上を高めていく”というように解釈してみて下さい
ここでは、フォームローラーによる筋膜リリースの正しい方法を言うよりも、最低限の方法を理解することで専門家の手技とまでは行かなくても、逆効果となることなく筋膜への働きかけは出来るという前提で説明していきます
実施方法・注意点
本来は知識を持った専門スタッフに施術してもらうのが一番ですが、以下の順番で行います
- 身体の硬い部分や伸びにくい部分(気になる部分)にフォームローラーを当てます
- 身体の重みで軽く圧迫しながらゆっくりしたペースでに動かし、少し痛い部位を見つけます
- その部位でフォームローラーを止め、身体の重みを軽くかけた状態で、約20秒程度静止します
- 時間があればストレッチなども組み合わせて行います
- 実施後~数日後の変化を確認します
セルフケアの考えのもと、自己にて行う人も少なくないと思いますので、次に挙げる点に注意しながら行ってみて下さい
強さ
少し物足りないくらいの強さで行い、その後の反応を確認した上で少しずつ強くしていきます
多くの人は「強くした方が効果がありそう」と我慢してゴリゴリしてしまいがちですが、かえって痛みが強くなり、しばらく体に悪影響が出てしまうため注意が必要です
本当に筋膜が硬い場所を刺激できていれば、少しの圧で押すだけでもかなり痛いでので、強く圧をかけて押さないと痛いくないのは、本当に筋膜の硬い部位を刺激できていないという事になります
頻度
フォームローラーを使用している人に多い疑問として、「どれ位の頻度でやればいいんだろう?」ということがあります
スポーツなどで使用する場合は、ウォーミングアップの前やメンテナンスを兼ねて行うことが多いですが、普段で使用する場合は、毎日行っても構いませんが、以下のことを忘れないでください
- 基本的にフォームローラーで筋膜リリースを行ったあとは少なからず筋肉に炎症が起きたりする関係で、数日間は回復の時間が必要になりますので、毎日強くやり続けると、組織の回復が追いつかないので逆に体が硬くなったりします
- 毎日行うのであれば、回復の時間を考慮して部位を分けて行った方が良いです
タイミング
フォームローラーによるケアを行う場合、そのタイミングも意識しておいた方が良いです
具体的には、“身体が温まっている時”と“運動直後を避ける”です
筋膜は熱の刺激によって、組織の中の成分が変化してほぐれやすいことが分かっていますし、筋肉も柔軟性が高くなりやすいので、「入浴後」など身体が温まっている時は良いと思いますし、気温が低い状態で行う場面では注意が必要です
また、運動直後は筋肉がダメージを受けている状態ですので、この時に行っても炎症を強く引き起こしてしまいます
水分をとる
実施後は循環が良くなっていますので、組織内に蓄積した有害物質や老廃物を流し去り、組織に起きてしまった多少の炎症の回復を促すためにも水分をしっかり摂取するした方が回復が早いです
身体を冷やさない為にも常温の水をコップ1〜2杯程度飲んでみましょう
間違った使い方による問題点
フォームローラーを間違って使うことによる問題点は次の3点があります
- 筋肉や皮膚を痛める
- 逆に硬くなる
- だるさや倦怠感が残る
筋肉や皮膚を痛める
筋膜は「薄い膜」であり、フォームローラーを接する身体部位は皮膚です
よって、体重をのせたり、荷重をかけてゴリゴリすると皮膚を擦る摩擦頻度が増加し、筋肉などにも必要以上に強い刺激が入ってしまい、炎症が起こるなど逆効果となってしまいます
硬くなる
本来は、こわばりや張りの軽減を図ることが目的なのに、必要以上に刺激がはいることで、その部位が防御的に硬くなってしまいやすく、その結果、身体のケアが上手くいかずパフォーマンスの低下につながってしまいます
だるさ・倦怠感が残る
フォームローラーを行いすぎることで、筋肉などに過度に炎症が起こってしまい循環の悪化などにより、実施部位や身体全体にだるさ・倦怠感を感じることがあり、パフォーマンスの低下につながります
もちろん、正しい方法で行っても身体に刺激を入れたことによる僅かな炎症症状や循環の変化に伴いだるさが出ることはあります
まとめ
今回は、フォームローラーの効果や使い方、注意点などについてまとめましたしました
先ほども述べましたが、本来、筋膜リリースを簡単に行うことは出来ませんが、“皮膚や筋に適度なマッサージや刺激を入れることで該当する部位をケアしながらパフォーマンス向上を高めていく”ことは出来ますので、身体にはとても良いと思います
そして、「治るというよりも回復が早くなる」という認識をもって日々のケアに取り組んでみて下さい
理学療法士である私が使用しているトリガーポイントについては、こちらの記事を参考にして下さい
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